東海地震説が提唱されて40年。その説と地震予知を前提とした「大規模地震対策特別措置法(大震法)」に困惑する現場の姿を静岡新聞の取材班が追い、検証を積み重ねた長期連載を書籍化。大震法を基にした警戒宣言の矛盾、東海地震だけを想定した監視態勢など、多くの課題を指摘した。結果的に政府は警戒宣言を凍結。南海トラフ地震を視野に入れた抜本的見直しを打ち出した。本書は、地震への備えを国民的議論へと促す確かな手掛かりとなるだろう。