355人の看取りに関わった往診医が語るさまざまな死の記録。延命のみに長けた現代社会で、患者たちが望み、模索し続けた最期とは。
現代日本では、患者の望む最期を実現することは非常に難しい。多くの患者が、ひたすら延命しようとする医者や、目前の死期を認識しない親族と患者自身、病院外の死を「例外」とみなす社会によって、望まない最期に導かれていくためだ。しかし著者の患者たちは、著者と語り合ううちにそれぞれの望む死を見いだしていく。その結果、7割の患者が自宅での死を選んでいる。鮮烈なエピソードを通じ読者に「どう死にたいか」を問う一冊。