祖母の志を受け継いで、その人だけの服、一生添い遂げられる洋服を作り続ける。そんな南洋裁店の店主・市江と、彼女の服を愛してやまない百貨店企画部の藤井。微妙な距離感を保ちながら関わる二人と、服にまつわる人々の思いを描き出す、優しい優しい物語です。上等な朱色の布地を服に仕立ててほしいと頼まれた、洋裁店店主の南市江。しかし持ち主が誰かわからない。着る人を知らずに仕立てたことのない市江は、なんとかイメージを捉えようとするが……。生涯寄り添える服作りに生きる女性と、服と、お客様の物語、第2巻。