アメリカの政治哲学者ロールズは『正義論』で、公正な社会を構想し功利主義を批判、社会契約説を現代から再構成した。民主主義の原理ともいえるその理論は、社会倫理の議論を捲き起こす。国際社会の中で、自由、権利、財・資源、義務は、どう分配されうるか。本書では、サンデルの立脚地であるコミュニタリアニズムなど六つの代表的視点を取り上げ、現代の課題に思想家たちがいかに応答したかに迫る。現代正義論の入門書。