わたし(るい)は、転校生のあんりちゃんが、自分の仲良しのふうこちゃんと仲良くしている見てなんだか「ムカッ」。放課後、ふうこちゃんが、一緒に帰ろうと誘ってくれても断ってしまいます。うしろにあんりちゃんがいたから「ムカッ」ってしちゃって…。なんで「ムカッ」ってするのかな? この気持ちなんだろう? 帰宅したわたしは、弟が赤ちゃんにやきもちやいているの見て自分の「ムカッ」の気持ちが“やきもち”だということに気づきます。 次の日の学校でも、わたしはまた「ムカッ」。でも、体育の時間、もう「ムカッ」ってしたくないなと思いながら走っていたわたしに、ふうこちゃんの応援の声がきこえました。全力で走りおわって、わたしは、ふうこちゃんとあんりちゃんに自分から話しかけます。そのとき、わたしは、なんとなくやきもちの気持ちが消えていることに気づくのでした。
やきもちは、ほっておくとどんどんふくらんで、いじわるしたくなったり、自分も苦しくなる。だから、やきもちは、うまれたばかりのとき、大きくなる前になくしてしまったほうがいい。
これは、できたてのやきもちの気持ちに、自分で気づいて、友だちとの関係のなかでそれを解消して一歩進んでいく女の子のお話です。
普遍的なテーマと読み応えあるストーリー展開が魅力
どの子にも思いあたる「ムカッ」という気持ち。読者は、絵本から、自分の気持ちを振り返ったり、友だちのとの関係へと思いを巡らせていくでしょう。