本書は,看護専門学校から看護大学まで幅広い学生に向けて,論理的に文章を読んだり書いたりすることができるようになるためにまとめたものである。
本書は第1部の基本編(1~4章)と第2部の応用編(5~6章)で構成されている。
1章では,論理的に読む・書くうえで必要となる基本的な思考について,2章では,文章構成力をつけるために必要な接続詞について説明します。3章では,実際に使用する論証が帰納的論証であることから,帰納的論証について丁寧に取り上げる。そして4章では,根拠から主張/結論がどのように導出されているのかを論証図によって解説する。
5章では,第1部で身につけたスキルを使って論理的に読むことを,6章では論理的に書くことを,例文を使って説明する。
また,各章に読んで学んだことを実践するための練習問題を用意している。
なお,本書ではあえて論文をとりあげなかった。その理由は,論文を書く学生が少ないことと,多くの学生が論文以前のレポートなどでつまずいていることからである。
学生の文章力の低さや論理的な思考ができないことを嘆く教員は多いが,その教員にとっても本書は論理的思考の基礎を改めて学べる書になると思われる。