山に夕闇がせまる
子供達よ
ほら もう夜が背中まできている
火を焚きなさい
お前達の心残りの遊びをやめて
大昔の心にかえり
火を焚きなさい
――山尾三省「火を焚きなさい」
山尾三省の詩は、いまの時代にますます、ひつようとされている。わたしがわたしをとりもどすために。あなたがあなたをとりもどすために。
--早川ユミ「わたしの、根っこのひと」
野とともに生きること、家族とともに生きること。
詩人・山尾三省(1938~2001年)の著作と詩集から、48篇の詩、4篇の散文作品を選び、あらたに編集したベストセレクション。家族とともに屋久島に移住し、耕し、詩作し、祈る暮らしを続けた詩人の心温まることばを集めました。布作家・早川ユミの解説、画家・nakabanの漫画も収録。(発行=野草社)