小鹿島(ソロクト)は朝鮮半島の南端の小島で、日本が朝鮮を植民地支配していた当時、ここにハンセン病者を隔離・収容する療養所を設置した。著者は1946年、ハンセン病であった母とともに8歳でここに隔離され、13歳で自らも罹患した。植民地時代を受け継いだ療養所の生活の過酷さ、母から引き離された悲哀と自らの発病の苦悩……。これらを著者は後年、詩によって表現した。療養所での厳しい生活や、困難のなかで自らの道を切り開いてきた著者の姿が生き生きと浮かび上がってくる。