廻船料理なには屋は、菱垣廻船で運ぶ味噌や醤油などの食材を用い、江戸で上方の味を食べられる料理屋だ。その主人は、下見の途中で船が難破した後、行方知れずだが、その意思を継いだ次男と妹が頑張っている。東西の味覚の違いに苦労しながらも、常連になった八丁堀の同心らの助言で、良いところどりした料理が評判を呼び、軌道にのってきた。そして、妹の縁談がまとまり、暖簾分けすることが決まった矢先に……。
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