◆第5巻の特徴◆
心を深く探ることができる研究法であるが,対象者と直接関わるための臨床的な技術が求められる難しさがある。本書では,アセスメントで求められる技術と方法,面接データの解析,臨床面接法について体系的に概説し,研究および臨床の両軸を念頭に広く深い視野の提供を目指す。各章末では,研究や報告の具体例を紹介する。
◆第5巻 はしがき(一部抜粋)◆
公認心理師試験が実施されるなど,臨床心理の専門家に対する社会的要請は今後ますます増加していくと思われるが,一方で有能な臨床心理の専門家を養成していくこともたいへん重要な課題となっている。そこで重視されるのは科学者-実践家モデルに基づく養成システムであり,臨床能力だけでなく,同時に研究能力の向上も問われていくことになる。そうした意味において,本書は研究および臨床の両軸を念頭においた構成となっており,公認心理師を目指す者にとって有益な書籍となると信じている。
◆◆◆『心理学ベーシック』全5巻紹介◆◆◆
心のはたらきを科学的に見つめるまなざしを養い,「自らの手で研究すること」に力点をおいたシリーズ
-シリーズ監修 三浦 麻子-
第1巻 なるほど! 心理学研究法 三浦麻子 著
第2巻 なるほど! 心理学実験法 佐藤暢哉・小川洋和 著
第3巻 なるほど! 心理学調査法 大竹恵子 編著
第4巻 なるほど! 心理学観察法 佐藤 寛 編著
第5巻 なるほど! 心理学面接法 米山直樹・佐藤 寛 編著
◆◆◆「心理学ベーシック」シリーズ刊行にあたって(一部抜粋)◆◆◆
「心理学を学ぶこと」をめぐる状況は,2015年に国家資格「公認心理師」の制度化が決まったことによって大きな岐路に立った。-略- しかしわれわれは,心理職としての現場での実践を有為なものとするためには,何よりもまず,心理学諸領域の基礎的な知見や理論を学び,それらをふまえて自らテーマを設定して研究を計画し,収集したデータを分析・考察するという一連の科学的実証手続きを遂行するためのスキルとテクニックを習得することが必要だという強い確信をもっている。