人生が変わる読書体験。
直木賞候補作『ふたご』の著者が、「本」を通して自身のターニングポイントを綴る、初エッセイ。
「文學界」の大好評連載に加え、書き下ろしエッセイも収録されています。
ただの壁だった本のページをぽつぽつとめくり始めたのは、自分を守るために演じてい
た文学少女に本当になれたら良いと思ったからだ。
いじめられたくないから愛想笑いをするなんて下らないよと言って、一人で本を読んで
いる女の子。誰かの意見に左右されず、自分の大切なものを大切に出来る強い女の子に。
演じていたはずのはりぼての文学少女が気付かせてくれたのだ。
「あなたにはこんなに素敵な本があるじゃない」と。
(本文より)
「気に入った本のページの端を折り、考えごとをする時間が好きでした。
妊娠や出産について、ピアノを続けてきた経緯やレコーディングについて、炎上した日の話や金銭感覚についてなど、本を閉じて巡らせてきた想いにお付き合い頂ければ幸いです。」
藤崎彩織