国家の名のもとに命を奪う「死刑」。著者は、数々の証言から執行現場を再現し、実際に起きた5つの事件を再取材しながら処刑に至る道程を検証する。なかでも、1994年に発生した、いわゆる「木曽川・長良川連続リンチ殺人事件」で逮捕され、死刑判決を受けた元少年3名への取材は、精緻を極める。死刑制度に対して是とする人々、非とする人々、あらゆる立場の人々に一読していただきたい、渾身のルポルタージュ。(講談社文庫)
国家の名のもとに命を奪う「死刑」。著者は、数々の証言から執行現場を再現し、実際に起きた5つの事件を再取材しながら処刑に至る道程を検証する。なかでも、1994年(平成6年)に大阪・愛知・岐阜の3府県で発生した、いわゆる「木曽川・長良川連続リンチ殺人事件」で逮捕され、死刑判決を受けた元少年たち3名への取材は、精緻を極める。何度となく拘置所内で対面取材を行い、彼らの発する言葉を丹念に追うことで、罪を悔恨する彼らの心情を描き上げている。また、被害者側の遺族たちのもとへの足を運び、いまだ晴れぬ苦しみ、元少年たちの更生を願う気持ち、あるいは絶対に許せないとする感情に接している。死刑制度に対して是とする人々、非とする人々、あらゆる立場の人々に一読していただきたい、渾身のルポルタージュ。