手紙雑貨の店「おたより庵」の店主・詩穂は、
「自分が死んだらこの手紙を投函してほしい」と中学時代の親友・響子に託された。
やがて季節は巡り、彼女の死を知った詩穂は手紙を開封し、
過去にまつわる事件に巻き込まれてゆく――。
町家の並ぶ、どこか懐かしい町で「あの日の約束」が再び動き出す。
店を訪れる者と、想いを伝えたい大切な誰かを繫ぐ、
あたたか優しい手紙ミステリー!
疎遠になった親友へ、今は亡き母へ、離れても大切な家族へ……
『おたより庵』の店主は今日も、
さまざまな想いをこめた手紙にそっと寄り添う……。