雪の下に、ふきのとうが芽をふきはじめたころ、旅人はもう旅をおえようと思いました。そう思ったとき、旅人の心にとてもなつかしく、おさびし山のさくらの木がうかんできました。そうだ、旅のおわりにもういちど、おさびし山のさくらの木に会ってこよう。旅人はそう思いました。