本書は、日本国憲法の果たしてきた役割を評価する反面、その問題点の摘出にも多くのページをさいた。いままで、憲法に関する多くの解説書が出ているが、それらはもっぱら日本国憲法をいかに解釈すべきかということに力点がおかれ、日本国憲法はいかにあるべきかという点にはほとんど言及されていない。私たちが住む日本は、いまどんな問題をかかえているのか。日本国憲法はその問題点にきちんと対応できるのか。そんな点からの憲法論が必要である。本書は、元気に満ちた日本をとりもどすための憲法書である。