ホラー作家・澤村伊智の、本格ミステリへの本気の挑戦。
読めば語りたくなること必至の、悪魔的な問題作である。
――綾辻行人氏
【初読はミステリ、二度目はホラー。この謎に、あなたもきっと囚われる。】
「わたしは死ぬよ。言葉で。呪いで」
瀬戸内海に浮かぶ霧久井島は、かつて一世を風靡した霊能者・宇津木幽子が生涯最後の予言を遺した場所だ。彼女の死から二十年後、《霊魂六つが冥府へ堕つる》という――。
天宮淳は幼馴染たちと興味本位から島へ向かうが、宿泊予定の旅館は、怨霊が下りてくるという意味不明な理由でキャンセルされていた。
そして翌朝、幼馴染みのひとりが遺体となって発見される。しかし、これは予言に基づく悲劇のはじまりに過ぎなかった。
不思議な風習、怨霊の言い伝え、「偶然」現れた霊能者の孫娘。祖母の死の真相を突き止めに来たという、彼女の本当の目的とは……。
あなたは、真実に気づくことができるか――。島の秘密が暴かれたとき、惨劇の幕が開く。