先生は、たとえ一杯のラーメンであっても死ぬ気で食べていた-。美味を貪らず、しかし毎日の一食一食を大事にした作家は、食通でもなく、グルメでもない、本物の「食道楽」だった。池波正太郎の書生を十年間つとめた著者が、亡師が愛したゆかりの店や宿を再訪し、あの味の「今」を亡師へ報告。師から学んだ食の作法をさまざまな思い出とともに案内する。