移民の未来は、日本の未来だ
移住労働者の定住化を阻止するという政府の方針は、彼らの人権を侵害し、「使い捨て」にすることを意味する。一方で長期的にみれば、ここには人を育てるという視点がない以上、日本社会の「持続可能性」をも奪うだろう。移民研究の第一人者が結集し、政策転換に向けて必要な視座を提示する。
序 章―移民社会の現実を踏まえて 髙谷 幸
第1章 労働―人材への投資なき政策の愚 樋口直人
第2章 ジェンダー―格差是正のための政策にむけて 稲葉奈々子・髙谷幸・樋口直人
第3章 出入国在留管理―非正規移民への対応を問う 髙谷 幸
第4章 社会保障―「外国人性悪説」を超えて 奥貫妃文
第5章 教育―子どもの自己実現のために言語と文化の保障を 榎井 縁
第6章 多文化共生―政策理念たりうるのか 樋口直人
第7章 移民排斥―世論はいかに正当化しているか 五十嵐彰・永吉希久子
第8章 反差別―独立した人権機関の設置が急務だ 森千香子
第9章 国籍・シティズンシップ―出生地主義の導入は可能か 佐藤成基
第10章 技能―日本的理解を刷新するとき 小井土彰宏
終 章―生活世界の論理による政策を実現するために 稲葉奈々子