「愛される」ことではなく「愛する」ことが重要と説く、ヘッセの恋愛論ともいうべき詩文集。
少年時代の異性への淡い憧れ、青年時代のロマンチックな激しい情熱、壮年から初老にかけての
様々な女性たちとの性愛などヘッセの愛の遍歴が、短編小説、詩、随筆などの作品世界で表現される。
ヘッセの年譜と合わせながら、ヘッセの愛の境地を旅する一冊。
ドイツの出版社ズーアカンプ社の編集顧問であるフォルカー・ミヒェルスの編纂による。
「愛することのできる者は、幸せである。
私たちの魂に、魂自身の存在を感じとらせ、
魂自身が生きていることを感じとらせる私たちの魂の動きは、
どれもすべて愛である」(本文より)
<目次より>
氷の上で
遅すぎる(詩)
ハンス・ディーヤラムの修業時代
大旋風
私は女性たちを愛する(詩)
あの夏の夕べ
エリーザベト(詩)
美しければ美しいほど私には縁遠く思われた
そのように星辰は運行する(詩)
それがおわかりですか?
炎(詩)
私が十六歳になったとき
寒い春に恋人に捧げる歌(詩)
思い出
なんとこの日々は……(詩)
恋愛
たわむれに(詩)
人生の倦怠
愛の歌(詩)
四月の夕べ(詩)
アバンチュールの期待
ある女性に(詩)
昔、愛する男が……
私のよく見る夢││ポール・ヴェルレーヌのフランス語から(詩)
エーデットへのクリングゾルの手紙
稲妻(詩)
再会(詩)
恋する男(詩)
ピクトールの変身――童話
愛の歌(詩)
逸脱者の日記から
極楽の夢(詩)
愛の先触れ
愛(詩)
カザノヴァ
誘惑者(詩)
ダンスパーティーの夜
カーネーション(詩)
生活に惚れて
母への道(詩)
芸術の中の愛の変化
神秘に満ちた人(詩)
愛することができる人は幸せだ
呻きつつ吹きすさぶ風のように(詩)
沈思(詩)
戦争四年目に(詩)
平和を迎えてだ――バーゼル放送局の終戦祝賀放送に寄せて(詩)