高校時代の親友が膵臓癌に。
余命の中央値は291日――。
「豊島、一緒に本を作ろう。君の体験という財産を、後の人たちのために遺すんだ」
「でも僕はたいした人生を送っていない。大学を卒業して一般企業に入社し、結婚して子どもが2人できて、2度の転職をしたけれどごく普通のサラリーマン生活を送ってきたに過ぎない。人様に誇れるようなことは何一つしてきていないし、そんな私の人生を本にしたって誰も興味を持って読んでくれる人などいないだろう」
「そんなことはない。豊島君が生きた時代、それはぼくも生きた同じ時代だけれど、この時代は高度経済成長のバブルがはじけて日本経済が衝撃的な打撃を受けた時代だった。豊島君だって当時最も安定した業種とされていた銀行に就職したのにその銀行が潰れて、その後に外資系のファンド会社に買収されて苦労しただろう。そういうことを書けばいいんだよ。あの激動の時代を記録に遺し、君が窮地に陥ったときの苦労や困難をいかに乗り越えてきたかを語っておくことには、きっと大きな意味があるはずだ」
会社の破綻、上司との軋轢、リストラや出世、転職、家族、友人、病……。
親友が激動の半生を赤裸々に綴り、作家・佐藤優が生きる極意を語っていく。
人生とは何か。
余命を意識したとき、人は何を思うのか――。
前代未聞の出版プロジェクトが始まった。
本書から導き出される「人生の極意」の数々
闘病中は2つのことに気をつけたほうがいい
危機的状況では、人間は楽観論に走る
窮地に陥ったら戦線を広げるんだ
事実と真実は違うときがある
生き残る人と生き残れない人を分けるのは、インテリジェンス能力と歴史観の有無だ
外見の強そうな男がメンタルも強いとは限らない
すべてはタイミングの問題なのだ
人生の岐路はほんの些細なことで変わってしまう
嫌な上司を攻略したいときは……上から捻るんだよ
ストレスや不安とは心の中でうまくつきあうといい