【帯文】首長竜のすべり台に花びらが降る短歌の黄金地帯をあなたとゆっくり歩く現実と夢の境には日傘がいっぱい開いていた 加藤治郎【5首】郵便がカタンと届き昼寝から浮上してゆく振りむけば海エンジェルを止めてくださいエンジンの見間違いだった地下駐車場三本締めが終わった後の沈黙に耐えられなくて服を脱ぎだす塀越しによくしゃべってた隣人の腰から下が人間じゃない暴れる鳥をなだめるように折りたたみ傘はかばんの中に納まる