• Author山形新聞社
  • Publisherダイヤモンド社
  • ISBN9784478941744
  • Publish Date1999年6月

藤沢周平と庄内 続

故藤沢周平さんを語る時、庄内の魅力とでもいうべき自然や歴史、文化、方言や食べ物を含めた風土を抜きにしては正鵠を射ることはできない。藤沢さんの多くの作品、特に「海坂藩」を舞台にした小説に出てくる風景描写は、庄内、とりわけて鶴岡のそれである。この「なつかしさ」はしかし、個人的な体験に基づくものではなく、広く日本人の心に元来備わっている原質からくるように思えてならない。失われつつある日本人の、心の原風景が、この「なつかしさ」を喚起するのではないか。

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