書籍の享受に関わる一次史料は思いのほか少ない。その文化・歴史を描き出すためには、書籍そのもののみならず、そこに残された書き入れや、周辺にある断片化された資料へも目を向ける必要がある。チラシやハガキ、書籍におされたハンコ、そして版権や価格、貸借に関する文書の断片など、これまで真正面から取り扱われることのなかった人々の営為の痕跡から、日本の書籍文化の展開を鮮やかに浮かび上がらせる。書物文化史研究の第一人者による待望の史料論。京都書林仲間の実態を伝える新出史料全篇の翻刻・影印を収載!