○人生100年時代と言うけれど、増えた可処分時間をどう過ごすかで明暗がわかれてしまう。日がなテレビとごろ寝で過ごすか、次々とやりたいことが生まれ、挑戦をし続けられるかは、ひとえにその人がどこまで柔軟でいられるかに関わってくる。本書は「可動域」をキーワードに、人生100年時代の生き方、学び方を伝授するもの。
○著者の大学院時代の最初の論文は「硬さの研究」だった。人というのは放っておくと心身とも固くなっていく。赤ちゃんは基本的に柔らかく、可動域も広い。そして何にでも興味を示す。それが、だんだん年齢を重ね、青年期を経て、人生半ばをすぎると、身体とともにいろいろなものが固くなる。交際範囲は狭まり、行動パターンや発想も型どおりになり、最終的に死を迎える。
○赤ちゃんや青年時代のような、柔軟な心と行動を取り戻すには、まず身体から動かしていくのがいい。息を吐いて身体を緩ませる。「痛きもちいい」ぐらいまで関節を広げてその実感を味わう。
○身体のウオーミングアップをしたところで、可動域を広げるには二つの方法がある。一つは自分の得意領域から始め、少しずつ広げる(第2章)、偶然を逃さず「離島」に飛び移って、新しいことに挑戦する(第3章)である。
○第4章では可動域が広がる読書術(「ハブ本読書」)、第5章では、病気やケガ、異動や失職などの逆境を、可動域が広がるチャンスにする法、第6章では可動域を加速度的に広げることに成功した達人たちの事例を紹介する。