現在も世界には相変わらず独裁者予備軍と覚しき政治家たちが跋扈しています。その多くは「自国エゴイズム」と「差別」を煽ることで権力維持を図ります。彼らは、かつてのヒトラーら独裁者たちが用いた巧妙な手法をそのまま踏襲しているかのような印象です。いわば「気づかずに乗せる」です。そこで本書では、かれら独裁者の手法をデザイン的に分析し、姑息な手段を見抜く眼を養おう、ということを目的にします。
「独裁」の基本は、国民の「監視」と、国民に気づかれずに「プロパガンダを浸透させる」ことです。しかし現代では、デジタル革命、インターネットの発達などで、このどちらも、彼ら独裁者が暴れた時代よりもはるかに容易に実行できるようになってしまいました。やはりなんでも「見抜く眼」は重要なのです。
本書の小口からは、スターリンと毛沢東が覗いています。彼らの意図を、みごと見抜いてみてください。
(目次)
はじめに
Chapter1 呪力のある視線
Chapter2 燃える視線
Chapter3 拒否する視線
Chapter4 遠望する視線
Chapter5 反復する視線
Chapter6 記憶する視線
付録 ナチ・ポスターを描いたイラストレーターたち
おわりに/引用リスト/参考文献