盛岡藩出身の物理学者・田中舘愛橘(たなかだて・あいきつ)が、日本を近代化すべく盟友・原敬とともに奔走する姿を活写。両者の友情を軸に、様々な度量衡が使われていた明治の日本で、メートル法に統一されてゆく過程を感動的に描く。
日露戦争時、陸軍がメートル法を用い、海軍がヤード・ポンド法を使うという度量衡の混在が弾薬不足を招いていた。それを知った愛橘は、陸海軍、そして伝統建築を担う宮大工の説得に乗り出し、原敬の助力も得て遂に大正10年、メートル法を主たる単位系とする度量衡法中改正法律の公布にこぎ着けたのであった。