「吹けよ あれよ 風よ あらしよ」。17歳で故郷を出奔、東京へ。辻潤と結婚、『青鞜』に参加、女性解放を求める活動のさなか、大杉栄と出会い――嵐のごとく生を駆け抜けた伊藤野枝は、28歳で憲兵隊に虐殺された。まっすぐな視線と率直な共感をもって書かれた野枝の力強い文章は、当時の社会を生々しく描いて魅力に富む。