地方都市在住者、出身者、そして地方都市を愛するすべての人々へ捧ぐ、Uターン者による笑って泣ける〝第二の青春〟エッセイ。新幹線も開通し、コンパクトシティをうたう再開発で、一見、開かれた町になった富山市中心部。だが郷愁と個性を失いどこにでもありそうな姿になった町に、08年、30歳直前でUターンしたライター、藤井聡子は戸惑いを覚える。見た目は「開かれて」いても結婚出産を迫る閉鎖的価値観は相変わらず。閉塞感に抗い、失われる町を記録しようとミニコミを作り始めた彼女は、迷い、傷つき、悩みながらも個性的な富山県民に出会い、第2の青春を見つけていく。