乱歩賞作家による痛快長編ミステリー!
麻布署捜査課の刑事だった藪下浩平(43)は、寝たきりの母を介護するため、期待されるキャリアを捨てて1年前に退職した。母親を大切に思うあまり、いまだに独身を貫いている。
そんな藪下のもとへ、東京の下町で起きたペットショップ放火事件の調査依頼が舞い込む。なぜか名指しで、さらに事件には多額の報奨金が掛けられているという……。指名したのは、藪下に公務執行妨害で逮捕された経歴を持つ「警察マニア」にして、桐生製糖株式会社御曹司の桐生淳太郎(33)だった。
藪下と桐生の2人で調べ始めると、現場に出没する美少女に出会う。彼女は、あらゆる狩猟資格を持つ謎のハンター・上園一花(24)だった。
世代も性格も考え方も異なる3人は、報奨金のために手を組むことになる。元ペットショップ店主犯人説の警察とは別のアプローチから真相に迫っていくのだったが、真犯人らしき人物は3人を標的に反撃を加えてきた!
3人は報奨金を手にすることができるのか!?
そして桐生には、藪下に並々ならぬ思いを抱くある事件があった……。
「法医昆虫学捜査官」シリーズが話題沸騰中の、江戸川乱歩賞作家による長編ミステリー最新作!
【編集担当からのおすすめ情報】
3人の主要人物は個性的ですが、今の社会からはぐれてしまっていて、本心を分かち合える知人や家族にも恵まれていません。それぞれが優秀な才能や特技を持ち合わせていますが、社会から浮いていることを自覚しており、心の奥底では劣等感にさいなまれています。
そんな3人が報奨金目的で行動するうちに、お互いの人間性や思考に好意を抱くようになり、チームとしてお互いが欠かせない存在となる。
本作は、ユーモアや皮肉を交え、見事なエンターテインメントに仕上がりました。