「助けてやれず、済まない……」男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い虞を捕らえた。地の底で手にした沙包の鈴が助けになるとは。天の加護がその命を?いだ歳月、泰麒は数奇な運命を生き、李斎もまた、汚名を着せられ追われた。それでも驍宗の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、あの豺虎を玉座から追い落とすため。――戴国の命運は、終焉か開幕か!