シルヴァスタインの名作絵本『ぼくを探しに』(講談社刊)の続編、
『ビッグ・オーとの出会い』が、村上春樹の新訳で再刊!
「大きなマル」に出会った「はぐれくん」に小さな変化が……。
アメリカで40年以上愛され続けるロングセラー絵本。
―――どちらのお話にも共通しているのは、
「自分はじゅうぶんではない」と主人公たちが考えていることです。
マルくんは「自分には大事な一部が欠けている」と感じているし、
はぐれくんは「自分はもっと大きな何かに含まれるべきだ」と感じています。
そして一緒になるべき相手を見つけようと、どちらも懸命に努力します。
でもなかなかうまく相手が見つかりません。
やっと正しい相手が見つかったと思っても、いろいろあって結局うまくいきません。
その努力をいわゆる「自分探し」ととらえることもできるでしょうし、
自分を正しく理解し、受け入れてくれる他者の探索、ととらえることもできるでしょう。
でもいずれにせよ、そういう相手は簡単には見つからないものです。
僕らの人生においても、だいたい同じようなことが言えますよね。―――
(村上春樹あとがきより)