本書は、この500年の間に交わされた、アーティストたちの手紙を集めたものです。日常や愛の会話から、制作上の苦悩やお金の心配まで、100人の私信を垣間見ることができます。カミーユを口説くロダン、仲介人に支払いの督促をするレンブラント、晩年のセザンヌの弱気と、それでもなお消えない描きたいという情熱……。彼らの手紙は人間らしさに溢れ、「アーティストは孤独な天才である」という神話を払拭してくれるでしょう。一部の手紙には即興のスケッチやドローイングも添えられており、走り書きしたような文字からは書き手の息遣いが聞こえるようです。デジタル時代だからこそ私たちの琴線に触れ、芸術家の体温が伝わってくる書簡の数々。手紙が書かれた時代背景や、画家本人についての解説も付いています。