著者は、明治大学政治経済学部の教員であり、印欧語比較言語学、英語史などの研究を専門とし、全学年を対象として、英語、英語史、専門演習の教鞭を執っています。
本書では、著者の主要担当科目である英語にまつわる、言語の現象をとらえた考察を第二章におさめており、著者のもとで言語学を学ぶ学生にとっては必読の書となっています。
他に、日本語、中国語、印欧語族(インド・ヨーロッパ語族)、言語一般(多言語にまたがる話題)をそれぞれ言語別に章立てし、著者が日々触れる言葉、日常で散見される言葉の変化、さらに、言葉の成り立ち、語源、不思議なむすびつき、移動経路などを読みやすく、わかりやすく解説しています。
本書で著者は、「日本人の耳や目にふれる言語の中から、ふつう、言語学者以外、意識しないようなことがらを意識に昇らせ、意外な発見、面白さが隠れていることを示したい。言葉に少しでも関心をもつ人を増やすことを意図している」としています。私たちの日常において、意識しなければ、たやすく流れていってしまう言葉の行方を追いかけ、つかまえ、その面白さ、豊かさ、輝きを言語学的視点で愛づる本書は、言語学の入門書として最適の1冊となります。
現在本学において言語を学ばれている方、本学以外で言語を学ばれている方、老若男女国籍を問わず言葉、言語が好きで、興味をもたれている方、話すこと、聞くこと、書くことを意識し、言葉の運用能力を高めたい方にとり、本書は言葉の「ドトール」として寄り添い、必携の書となります。