何かに追いかけられる夢、空を飛ぶ夢、乗り物に乗り遅れる夢、試験のときにトラブルに巻き込まれる夢など、誰もがよく見る普遍的な夢から、霊的な夢や災害に見舞われる夢、決断や発明・発見を助ける夢、音楽や絵画に関連する夢まで、夢は毎夜、私たちに不思議で刺激的なさまざまなメッセージを送ってきます。私たちにとって、夢とはどのようなものなのでしょうか? 実際のところ、それらのメッセージが何を意味しているのかを解読するのは、きわめて難しいと言えます。
精神科医である著者は、40年に及ぶ臨床経験の中で、患者さんたちから実に5万以上もの夢を聴き取り、それらの夢が患者さんの人生にとってどのような意味を持つのかを具体的に見つづけてきました。
本書では、夢が心の治療という医学的・心理学的な領域でだけでなく、私たちがふだん日常生活をしていく上でも、いかに多くの恩恵をもたらしてくれるものであるかを、人類の古代にまで遡る夢研究を紐解きながら考えてゆきます。