幕府御典医の名家に生まれ、長崎に留学し、シーボルトの弟子となって最新の医術を会得した医者・沢村伊織。
幕府の夷狄弾圧のあおりで、やむなく吉原の裏長屋で診療所を開いたのだが、
数々の治療やそれにともなう事件を解決していった結果、
蘭学塾の経営とともに奉行所のいわば検死官を担うこととなった。
そんなある日のこと、伊織は、越後屋の主人から大きな手術を頼まれる。
背中を刀でばっさり斬られていたが、さいわいにも大事にはいたらず、
無事に治療を終えていたのだが、どうやらその裏には、表沙汰にはできぬ、
家族の呪いが秘められているようであった……。
実際に家系図を駆使し、意外な展開で贈る人気シリーズ第五弾!