生老病死を生活の中心から遠ざけて暮らしてきた日本社会において今日、死を意識しないがために生じる身仕舞いの準備不足と家族の困惑、命はリセットできると考える子どもたちの増加、第一次産業の軽視など、さまざまなひずみが生じている。そうしたなか、生老病死と向き合い、死を見据え一瞬一瞬をどれだけ大切に生き重ねていくかが肝心で、一人ひとりの存在そのものに輝きがある、ということを写真に一片の言葉(詩)を添え、さらにエッセイを綴り、全体を通じて伝え、ひずみを増大させゆく社会に一石を投じる。