古書蒐集に神保町などをめぐる著者は、まさに大きなクワガタでも捕らえようとしている少年のようである。古書店へでかける日は心踊って、愉しくてしょうがないのだ。本書はそんな著者が、こつこつと書きためた日誌形式の蒐書記録である。しかし、ただの日記ではなく、一研究者としての文学評論も読みごたえがある。二巻には1995~1998年分を収める。