何かが失われている。世界から? お前自身から? 5年ぶり待望の長篇小説! この女優に付いていってはいけない──制御しがたい抑うつや不眠に悩んでいた小説家は、混乱と不安しかない世界に迷い込み、母の声に導かれて迷宮を彷徨い続ける。『限りなく透明に近いブルー』から44年。ひと筋に続く創造の軌跡の集大成にして重要な新境地作。「こんな小説を書いたのは初めてで、もう二度と書けないだろう」。