幕府と朝廷の礼法を司る「高家」に生まれた吉良三郎義央は、13歳になり、将軍・徳川家綱から名家・吉良家の跡取りと認められた。高家の役割は、朝廷への使者のほかに、大名や旗本の官位官職の斡旋などがある。今回は、前田家と毛利家が昇爵を目論み、吉良家への音物(進物)が届けられた。だが三郎は、父・義冬から、幕府に反抗的な毛利家に対し、厳しい通達をするよう命じられ──。武家の光と闇を描く、待望の新シリーズ!