なんだかつまんない日、ぼくはふと、テーブルの夏みかんをみる。「あっ、なつみかんのてっぺんに、みどりのほし、みぃつけた」やさいにも花にもみつけた、みどりのほし、ほし、ほし! 葉っぱのながれぼしを追いかけて走ったぼくは、草の上で大の字になってともだちと手をつなぐ。ぼくたちはみんなほしのこども…。林木林さんのみずみずしい言葉と、長谷川義史さんののびやかな絵で描かれる、小さな発見から大きく広がる心の世界。
「こどもの詩 周南賞」で入賞したこどものうたの歌詞の世界からうまれた作品。くだものや野菜の「へた」を「みどりのほし」と表現する、詩人ならではの発見と言葉が読者の想像を広げます。林木林さんはブログで、「地球には小さな緑の星たちがたくさん輝いて、その輝きが地球の緑を輝かせている。なんてすばらしいことでしょう」と書いています。自分のいのちや自然、ともだちのいのちの輝きを感じる作品です。