『怪談』をはじめ数多くの作品で知られ、日本とその文化の最良の理解者と考えられてきたハーン(小泉八雲)は、実はつねに人種の異質性を前提として、日本を欧米に紹介してきたのであった。ハーンの作品を事実や原話を検証しながら詳細に読み解いて、熱狂と幻滅の間を激しく揺れ動いたその実像に鋭く迫り、異文化理解の本質を考える。