日々100人近くの患者と接してきた横浜市の認知症サポート医が提唱する、今日から救われる認知症介護のヒント。
認知症を患った家族への介護は、見えない不安と戦いながら日々。だれでも苛立ちや悲しみからつい声を荒げて自分を責める経験があるはず。著者は「まず介護する人は自分にやさしくなりなさい」と語ります。自分の生活を介護一色にせず、自分の時間、そして楽しむ時間を持つことで、はじめて相手に対してもやさしくなれるのです。認知症介護の基本は「HSS・AKB」、つまり、H=否定しない、S=叱らない、S=説得しない、A=焦らせない(急がせない)、K=傷つけない(自尊心を)、B=びっくりさせない。これだけ知っていれば十分と説く筆者のメッセージが介護に疲れた人の気持ちをグンと楽にしてくれます。