コロナ禍によって最初にそしてもっとも大きな被害を受けるのは社会的弱者であり、マイノリティである。危機的状況におけるしわ寄せは少数者が受けるのだ。ところが、マスメディアがたまにこうした問題を取り上げることはあっても、断片的な報道にすぎず、その原因やもともとあった社会構造には踏み込まない。現在、起きている深刻な問題は、コロナ禍以前の日常の中にあり、それが顕在化したすぎない。
この特集では、多くの人々が未だに理解していない社会問題を、コロナ禍で起きた出来事を通して伝える。救いを求める社会的弱者やマイノリティの現状とともに、危機の時代の根底にある問題の構造を捉え、今後、制度や社会をどう変えるべきなのか提起する。