日本推理作家協会賞(短編部門)受賞後第一作! 2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。紫峰家は、すみれの花で彩られた美しい館に暮らす一族だった。当主の太一郎と、葵・桜・茜の美しい三人の姉妹たち。四人は終戦間近、東京大空襲によって亡くなったはずだったが……。白骨死体は、いったい誰の死体なのか? その身元について、かつての関係者に話を聞いて回る謎の男が現れる。かつての女中や使用人たちの語る、館の主人と三姉妹たちの華やかな生活と日常、そして忍び寄る軍靴の響き。突然起きた、不穏な事件。彼らの証言は二転三転し、やがて戦時下に埋もれた意外な真実が明らかになり――。『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞しデビュー、いまもっとも注目される女性コンビ作家、渾身のゴシック・ミステリー。