「狂気」をめぐるフーコーの問題群は、文学の領域においても展開された。人間の"境界=極限"が、その言語活動において探られ、「作品」が生み出される地点へとまなざしが向けられていく。コレクション第2巻「文学・侵犯」は、「侵犯への序言」「言語の無限反復」「幻想の図書館」「外の思考」「作者とは何か」などを収録。「いつの日か試みねば」とフーコー自身語りつつ、大部な著作としてまとめられることのなかったテーマの論考を集めた本書は、「幻の書」ともいうべき一冊である。