その家を建てた作者の曽祖父一家はナチスに追われ、その後に住んだ音楽家一家も徴兵を逃れ家を出ます。戦後に暮らした家族は「ベルリンの壁」によって湖と隔てられ……。ベルリンに実在する一軒の家の変遷から戦争、分断の歴史を見つめる物語。この100年に起きたことを描いていますが、「昔あったこと」ではなく、世界中で分断が進むいま、同じことをくり返さないためにあらためて読みたい1冊。