映画監督・小津安二郎がさまざまな機会に書き綴った文章は、作品資料にとどまらず魅力的なものが多い。「殺人綺談」ほか軽快なモダンスタイルの初期エッセイ、従軍体験を克明かつ赤裸々に綴った日記と手紙、演技学講義「映画演技の性格」および映画鑑賞に必携の自作解説、そして脚本から映像へのプロセスを浮き彫りにする「東京物語」監督使用台本を収録。世界の巨匠OZUの全貌をコンパクトにとらえた1冊である。