世界初の中銀デジタル通貨(CBDC)を設立4年足らずのスタートアップが実現ーー2020年10月28日、カンボジア国立銀行が世界で初めて中央銀行デジタル通貨(Central Bank Digital Currency=CBDC)である「バコン」(BAKONG)の正式運用を開始した。そのブロックチェーンは、日本のスタートアップ、ソラミツが最初に開発した「日本発」のテクノロジーだ。
いま、中国が実証実験を進めている「デジタル人民元」やスウェーデンの「eクローナ」など、各国の中央銀行はCBDCの計画を急ピッチで進めている。そんななか、世界に先駆けてCBDC第1号となったのがカンボジア「バコン」。そのブロックチェーン「ハイパーレッジャーいろは」は、ソラミツが最初に開発したオープンソースだ。
いまや「デジタル後進国」とも言える日本から生まれた先端デジタル・テクノロジーは、いかにして生まれたのか。アメリカから帰化した共同創業者の武宮誠らを中心にした小さな企業の壮大な世界戦略と「バコン」ローンチまでの経緯、福島県会津若松市でソラミツが手がける地域通貨「Byacco/白虎」プロジェクトの模様などを日本法人を率いる著者が描いた。武宮CEOのドバイ・レポートも収録。
目次
第1章世界初の中銀デジタル通貨「バコン」始動
第2章ソラミツという会社
第3章 カンボジアの決済システムの課題に挑戦
第4章 カンボジア中銀デジタル通貨がめざす道
第5章 デジタルタル円への道
第6章 日本初のデジタル地域通貨
第7章 デジタル通貨の未来
・参考資料 中銀デジタル通貨の動き