時代が、体制が音を立てて崩れ、移り変わってゆこうとする幕末に生きた九州は柳川藩の一剣士・神影流大石進の一代記である。六尺余の長身に長刀を持たせ、必殺の突き技を使わせたら江戸の千葉周作道場、斎藤弥九郎道場を破るほどの腕を持ち、天保年間の剣術界に旋風を巻き起こし、剣技・剣道具の改良にとり組んだ異色の剣豪である。