• Author川上郁雄
  • Publisherくろしお出版
  • ISBN9784874248553
  • Publish Date2021年3月

「移動する子ども」学

本書は、新しい学問領域として「移動する子ども」学を提案する。
 「移動する子ども」とは、目の前の生きている子ども(実体概念)ではなく、幼少期より複数言語環境で成長したという経験と記憶を中心に持つ分析概念である。その分析概念には、「空間」「言語間」「言語教育カテゴリー間」の移動経験の貯蔵庫が3つあり、それらが相互に影響しつつ重なり、記憶が形成されていく。また、「今、ここ」の日常的移動の横軸と、「あの時そしてこれから」という過去と未来を繋ぐ個人史的移動の縦軸を持つ。幼少期から複数言語環境で成長する人の生を捉え、理解するには、このような分析概念としての「移動する子ども」が有効である。
「移動」と「ことば」というバイフォーカルな視点に立つ「移動する子ども」学は、必然的に、既存の学問領域の視点と研究方法と微妙にズレた視点を取ることなり、結果として、既存の学問領域を超えた学問領域を創出することになろう。それは、新たな子ども理解や、認識枠組み、成長と記憶、人の主観的な意味世界を探究することになり、21世紀に生きる人々の移動性、複文化性、複言語性のリアリティを明らかにすることになろう。(本書序より)
研究者の方にとっては今後の研究の道標として。一般読者の方にとっては、「移動する子ども」の経験や記憶をたどる、読みごたえのある読み物として是非手にとっていただきたい一冊です。

>> 続きを表示
    •  
    • This book can be read at
    • Borrowed People

Recently borrowed books by this book borrower.

  • デジタルで変わる子どもたち / 学習・言語能力の現在と未来
  • 海外で学ぶ子どもの教育 / 日本人学校、補習授業校の新たな挑戦
  • 「育てにくい子」と感じたときに読む本 新装版
  • 日本語教師のためのアクティブ・ラーニング
  • 学習力を育てる日本語 教案集 / 外国人児童・生徒に学び方が伝わる授業実践 すぐに使えるCDーROM付き
  • 学習力を育てる日本語指導 / 日本の未来を担う外国人児童・生徒のために
  • 認知的アプローチから見た第二言語習得 / 日本語の文法習得と教室指導の効果
  • ICT×日本語教育 / 情報通信技術を利用した日本語教育の理論と実践
  • 第二言語習得の普遍性と個別性 / 学習メカニズム・個人差から教授法へ
  • 0~5歳子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド / よくわかる!絵本の選び方・読み方